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コーチ自身が「フレーム」から自由でいるために・・・・(2)

ブログへの質問に答えていたら、あれよあれよのボリュームになっちゃいました。(どなたですか?いつもそうジャンって言ってるのは――)

で、コメントも折り返しいただきありがとうございます。流石に大学院でコーチングの社会的活用・効用をテーマにされているsleeperさんだけあります。

> 社会学や文化人類学では「再帰性」という、とても重要な概念があります。
> これは「観察した結果が、観察した対象に影響を及ぼすこと」を意味しています。
> たとえば「日本は○○な国である」という当初は客観的だったはずの分析が、逆に
> 日本社会のあり方そのものに影響を与える、といった状況を指します。

> なのでコーチの側が自分自身の「思考パターン」「言語パターン」「感情パターン」を
> 無自 覚なままにクライアントを観察すると、その観察結果が逆にクライアントに影響
> を及ぼす、という「コーチングの再帰性」という問題が出てきそうです。

(1)で申し上げたように、クライアントさんの選択できる環境を「無意識的に」奪いかねないということで「タイプわけ」を否定します。

というのは、まさに、「そういうタイプだ」と観察してラベル化したときに、相手がそれをやりだす、つまりクライアントさんが「そのタイプをやりだす」ということが大いに引き出されてしまうということです。「コーチングの再帰性」ですか、おっしゃるとおりです。

4~5年前、私が参加したある電話のクラスでのコーチ養成クラスで、同じくクラスに参加していらっしゃった生徒でありプロであった方が(プロで当時かなり実績のある方であったと記憶しておりますが)、「私は○○タイプなので、そういう質問をされると××と答えたくなるのよね」と堂々とおっしゃっていました。

私にはそのことがとても驚きで「コーチがタイプわけに自らハマっていらっしゃる!」と感じたのでした。つまりこの反応はすでに、「このことが選択を不自由にしている」ということに他ならないということなのです。気づかれたならば、当然、その方のクライアントさんには「タイプわけなんてできないはずだ」と私は思ったのですが、そのクラスではあまり不思議に思われなかったようでした。(私には忘れられない光景---実際には電話クラスなので、耳を疑ったと言うべきかしら!?――ことでした。)

また、その一方で、コーチが「このクライアントさんは○○タイプだから・・・」と前提をもって何か別のところに焦点や意図があたると・・・・つまり、「クライアントさんで居てもらわなくっちゃ困る」とか、「こういう質問すると嫌がるだろうなぁ・・・」とか、顕在化していなくてもそういうかすかな感情が、無意識でも有意識でも脳は、どんどんプロセスして行ってしまうのです。

もっとひどい場合はそのクライアントさんとのパターンに自らがハマって、「○○タイプにはこのアプローチ」なんてのをやっていたりすることが起こる可能性が大です。

コーチだって人間ですから、クライアントさん同様にパターンもつくるし自分への信頼が何かの拍子に損ねられたりすると、「嫌われたくない」みたいな感情が起こる可能性があるでしょう。

そういう意味でタイプ分けは、観察力を劣らせるし、その人一人ひとりを扱っているという「自覚すら奪う」というように”脳みそのプログラムの作られてゆく仕掛け”を知った者としては、大いに注意が必要と考えています。NLPでは、プログラムやプロセスの傾向としてVAKの理解プロセスを扱いますが、決して人間をタイプ分けしません。

その上で、コーチが自分のフレームを押付けるのではなくて、その場に必要な、その人がもっといろんな可能性を見ることができたり、あるときは持ち味として、そしてリソース(資源)として使えるものを再認識できたり、あらたなソレについて発見につなげられるものを、質問=フレームとして差し出す必要があると思うのです。

自由自在こそがコーチの「いのち」です。そういう意味で、コーチがモデルで完璧であるっていう必要性よりも、「自由自在に柔軟性を持ったフレーム(切り口のある)質問」が出せるほうがずっとクライアントさんにとって価値のある存在ではないでしょうか?

と、今度はコーチの真価に話しが広がってしまうのでこのへんで。

ちょっとくどかったらお許しを。(この時間ですから、読み返しもそこそこです)

またあくまでも「タイプわけ」に関して私の私見ですので、いろいろな捉え方があるということについて「違い」であって「間違いではない」ということで、他の意見の方のお話も聞いてみてください。

かよりんは、こう考えているだけです!ここでの議論はあんまりする気がありませんので、異論・反論・オブジェクションのある方は、またご自身のブログでお書きいただくということで、お許しを!
スペルボーン(Spellborn)